点滴怖い [院の中の愉快な面々]
さて、もう随分昔のことだったような気がします。
この国にまだバブル景気が訪れる前の、そんな昭和の時代でした。
私は、図らずも駅前の病院にとても長い間入院していました。
病室は3階混合病棟の一番つきあたりの10人部屋。
この混合病棟は主に小児科の病室と、エレベーター横の4人部屋と奥の10人部屋が大人の病室です。
病院に半年もいれば、大抵のことはわかります。
また、あの頃はプライバシーというものは全くないといっていい時代だったので、カーテンは開けっぱなし。
10時になると一斉に点滴が始まり、なぜか皆が水戸黄門を見ていました。もちろんだれもイヤホーンなど
していません。
さて、そんな病室に深夜ひとりの急患が運ばれました。
次の朝、情報収集するとどうも風邪をこじらせて高熱を発しているらしい。名前はブルージマさん。推定25歳。
彼は一日3回点滴をするのですが、点滴の間、瞬きもせず目を見開き、点滴を見続けています。
そのうち、やや元気になってきたブルージマさんは、点滴の前になるとまるで試合が始まる前の松岡修三の
ごとく、ハチマキ(タオルですが)を占め、ベッドの周りをうろうろし、気合いを入れるようになりました。
しかし、点滴で針を刺される瞬間、「ちょっと待ってもらっていいですか。」態勢を整え、大きく深呼吸をし、
目をつぶってその瞬間を耐えるのです。
半年の入院生活に飽きていたぽんたは、1月くらい前に入院してきた16歳くらいの少年2人とある策を
講じました。
「明日は、日曜日か。ということは宿直の先生が点滴当番か。ヘタクソな先生に当たると痛いからなあ」
「たまに漏れるときあるしなあ。漏れたら腕がパンパンに張って大変や!」
さらに、当日。エレベーター前の部屋に少年が偵察に行き、報告。
「あかん!今日は獣医や!」
これをきたブルージマさん。ハチマキを占めたまま、おそるおそるトイレに行くふりをして偵察。
毛むくじゃらのドクターを見て、脱走してしまいました。
この後、みんなが点滴を終えたころ戻って来たブルージマさん。ナースにちょっぴり笑われ、
それでも3日ほどで退院していきました。
高校生のとき 盲腸で入院しました。
そうそう10時ごろ エアコンは切れるし、暑さに負けないように頑張ったこと、
それと大部屋だったので、 隣のベッドのおばさんのイビキに耐えること。
お腹の痛みより、そっちの方がしんどかったかな。
ブルージマさんの逃げたくなる気持ち分かる!! 下手な人は
後が痛くて、嫌なんですよね。 逃げられるなら 逃げたい(^-^)V
by aya (2012-07-20 13:02)
☆ayaさん
イビキについては今回も悩まされました。
また別の機会に書きたいと思います。
by punchigoo (2012-07-22 12:16)